世界の木材需要は中国やインドなど新興国の成長にともない、増大傾向にある。国際的に森林資源保全の動きも活発になっており、日本は以前のように自由に輸入することはままならなくなっている。こうしたことから合板・集成材メーカーは国産材に注目するようになった。国内にも大型製材所を建設し、人工乾燥し、品質管理と情報化を進める企業も出現するようになった。林野庁も新流通・加工システムや新生産システムを導入して、こうした低コスト化を進めるが、その一方で、大量で安価な材の需要により100ha規模の皆伐地が各地に広がり、費用が出ないため再造林が放棄される事態も生じている。
現在、合板、集成材、LVL【*1】などは売れるが、それらの材料となる原木価格は低い。国産材の商品アイテムは少なく、販売窓口も少ない。施主の8割以上は木造住宅を希望しており、国産材嗜好も強いが、乾燥材が少なく、内装用商品も少ない。現在の木造住宅需要に合った国産材が少ないため、利用しにくいのが現状である。
宮崎県の皆伐地