1. 木質バイオマスの利用拡大と林業再生

日本で利用可能とされるバイオマスの半分以上は、森林由来のバイオマスである(図1)。近年の石油価格高騰や温暖化対策などにより、バイオマス発電、バイオマスボイラーの国内導入数が急増し、逆有償(引取料を支払う)の建設廃材等はほとんど使いつくされた状態になっている。木質バイオマスでは、1999年度に12基だった発電施設数が2008年度までに144基と激増。ボイラー施設数も99年度の174基から2008年度には615基に伸びた。こうした結果、半数近くの事業者が燃料不足となり、稼働休止や全面休止に追い込まれる事業者も出ている。一方、山には膨大な木材資源があるが、特に材として利用が困難な小径木は搬出費用が合わず、間伐されても林地に切り捨てられており、ほとんど利用されていない。経済的な搬出には路網整備が必要である。また、材としての利用も増えれば、同時に出る樹皮や端材をエネルギー利用しやすくなる。日本で今以上にバイオマスを利用拡大するには、林業の再生が不可欠なのである。

図1:日本の主要バイオマスエネルギー利用可能量(PJ/年)

図1:日本の主要バイオマスエネルギー利用可能量(PJ/年)
(出所:資源エネルギー庁資料)