NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
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2004年8月

■バイオマスタウン構想を全国の市町村から募集へ

バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議は、地域内でバイオマスの総合的・効率的な利活用を行う「バイオマスタウン」の構想を、全国の市町村から募集する。応募された構想書は「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議事務局」で「バイオマスタウン」の基準に合致しているかを検討し、基準に合致している場合には、その構想書に基づく取組みが行われる市町村をバイオマスタウンとして公表され
る。応募を希望する自治体は様式に沿って、管轄する地方農政局や都道府県の窓口に構想書を提出することが必要。提出は随時受け付けている。
(EICネット 国内ニュース 2004年8月30日)
プレスリリース http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20040830press_1.pdf

■間伐材製の家畜糞尿発酵槽を試作

岩手県工業技術センターとコーンズ・エージー社は、家畜糞尿を発酵させ肥料にする木製発酵槽を試作した。杉や赤松などの間伐材を使用し、同県の畜産規模に合わせ、4t程度と小型。木材は熱伝導率が小さく発酵に適した温度を保つのが容易。設置コストなどの低減化を図り、来秋までの製品化を目指す。
(岩手日報 2004年8月27日)

■木質プラスチック、愛知万博にお目見え

愛知県の産学官連携で開発された新素材「木質プラスチック」が、愛知万博で「ものづくり愛知」の象徴として出品される「千年時計」の心臓部に使われることになった。原料は木質100%で、プラスチックと同等の強度や加工性を持つ。木くずやチップを高温蒸気釜で200℃に熱し、いったん乾燥して粉末にした後、再び加熱してプレス成型する。科学技術交流財団と県産業技術研究所が開発に成功、中日精工が実用化を手がけてきた。歯車は、地元の県立豊川工業高校の生徒12人が職場体験をかねて担当する。
(中日新聞 2004年8月26日)

■中国地域バイオマス協議会、バイオマス活用へ4研究を選定

産官学の約40機関で発足し、バイオマスを活用した事業開発をめざす中国地域バイオマス協議会は、バイオエタノール(パブコック日立呉研究所、広島大などが参加)、バイオディーゼル(ヤンマー、東大などが参加)、浄水・脱臭用の木炭をつくるエコマテリアル・カーボン(中国電力、広島ガス、三菱重工などが参加)、メタンガスを発生させる汚泥処理の4つのテーマを選定した。拠点となる中国センターには循環バイオマス研究ラボを開設。来年3月までに計画を策定し、国の補助金などを申請し、事業化を図る。
(中国新聞 2004年8月26日)

■環境省、05年度予算にバイオマス推進など盛り込む

環境省は8月25日、2005年度予算の概算要求をまとめた。総額は04年度当初比18.7%増の3368億円。国内排出量取引市場の新設と参加企業への省エネ設備補助金として33億円を要求。風力やバイオマスなど再生可能エネルギーを集中的に導入する地域を「再生エネルギー高度導入地域」として認定し、支援する事業に10億円を盛り込む。5年後までに、全都道府県に1箇所づつ指定する方針。
(共同通信 2004年8月25日)

■宮崎県の公有林、緑の循環認証会議の森林認証取得へ

宮崎県の高岡、綾、野尻町に広がる諸県県有林(1575ha)で8月23日、国内の林業団体、市民団体、学識者などでつくる「緑の循環認証会議(SGEC)」による森林認証取得のための現地確認審査が始まった。取得すれば、全国の公有林では初めてとなる。SGECは昨年6月に発足。人工林の多い国内に合わせた審査基準を設け、環境保護と持続的な木材生産の両立を保証する。これまでに和歌山県や静岡県にある社有林3件が認証を受けている。
(宮崎日日新聞 2004年8月24日)

■林野庁、木質ペレットに標準規格導入へ

林野庁は8月23日、間伐材などの利用促進を狙い、木質ペレットに標準規格を導入することを決めた。2005年度に業界に研究会を発足させ、2,3年かけて自主的にまとめてもらう。同庁は、大きさや含水率がメーカーごとに異なっていると製造業界の育成やペレットを燃料とする製品の開発に支障が出ると判断。標準規格の導入でペレット製造企業を増やして間伐材の利用拡大につなげ、金属くずの燃
焼による化学物質発生のトラブルも未然に防ぎたい考え。
(中国新聞 2004年8月24日)

■ビールかすからメタンガス生成技術を開発

静岡大学工学部とサッポロビールは、モルトフィールド(仕込み麦芽かす)からメタンガスを生成する技術を開発した。サッポロビールでは、年間10万トンを排出しているが、飼料化や肥料化は脱水・乾燥処理が必要で燃料コストがかかっていた。200℃で水に溶解しやすい状態になる状況が判明。処理費用やエネルギー消費が大幅に削減できる。この水熱処理技術は、茶殻やコーヒーかす、おからなどの食品廃棄物にも応用できる。
(産経新聞 2004年8月24日)

■三菱証券、マレーシアのバイオガス発電でCDM認定へ

三菱証券がマレーシアで手掛けるバイオガス発電が、CDM事業として国連から認定される見通しとなった。認定されるのは、パーム油工場の有機性廃液から出るメタンを回収し発電用燃料に使用する事業。現地のブミバイオパワー社が実施し、三菱証券がCDM事業に仕立てる。CO2換算で年間5.5万トンの排出権が得られる。
(日本経済新聞 2004年8月24日)

■小型焼却炉のダイオキシン類規制を緩和

環境省は、廃棄物処理法に係る政省令の改正案をこのほど公表。平成13年の法改正に伴い規制強化した小型焼却炉(焼却能力200kg/h未満)の設置基準を緩和することにした。製材工場などの小型焼却炉が、ダイオキシン類の濃度基準をクリアしているにもかかわらず、廃止や使用不能に追い込まれている問題に対応するもの。1)1回で燃やし切るバッチ炉が使用可能 2)安定した燃焼状態が維持できる場合は温度計の設置は不要 3)着火用バーナーで燃焼ガスの温度を保てる場合などは助燃バーナーがなくても使用可能となる。10月27日から施行する予定。
(J−FIC WEB NEWS 2004年8月23日)http://www.j-fic.com/

■生ごみから前処理なしで水素を製造

三重大学の粟冠和郎教授と名城大学の大宮邦雄教授らの研究グループは、微生物を使って生ごみや紙などを発酵させて簡単に水素を製造できる技術を開発した。使われたのは、木の枝を減量処理するコンポストで使われている複数の微生物。水素が最も多く発生する条件を探った結果、培養液の水素イオン濃度が 7.2-7.5の弱アルカリ性で、温度が60℃だった。実験では、コピー紙、キャベツ、ご飯、イワシを混ぜたごみ1キロ当たり120リットルの水素ができた。
(日経BPビズボート 2004年8月23日)

■利用が広がる生分解性プラスチック

ソニーと三菱樹脂は共同で、DVDプレーヤーの前面パネル向けに、難燃性や耐衝撃性を高めたポリ乳酸を開発。今年秋にソニーが発売するDVDプレーヤーに採用する予定。三菱樹脂は、松下電池工業の乾電池のパッケージやNTTドコモの料金請求用の窓付き封筒用にも製品を供給。東レは家庭用カーペット、三井化学やユニチカなどはポリ乳酸のゴミ袋を製品化している。
(産経新聞 2004年8月21日)

■BDF利用トラックを無料貸し出し

滋賀県守山市は、8月20日、環境美化などに取り組む団体や自治体を対象に、BDFを使用したトラック(積載量0.9トン)の無料貸出制度を始めた。同市は、市内70自治会のうち25自治会で廃食油の回収を進めている。初めての利用は、納涼祭の準備に利用。同市環境政策課は、環境にやさしい生活習慣が根付くことを期待するとしている。
(京都新聞 2004年8月21日)

■佐渡で食品廃棄物と下水汚泥を発電利用へ長岡技術科学大学とにいがた産業創造機構、新潟県、佐渡市は、佐渡市内の主要ホテルから排出される生ごみと水産加工業者から排出されるイカワタを同市の国府川浄化センターに搬入、下水汚泥と混合してバイオガスを発生させ、ガス発電と廃熱をプラントの加熱に利用するシステム開発に乗り出す。残渣は脱水後、高速コンポスト化装置で肥料化し農地に還元する。NEDO事業で採択され、本年度は調査・実験、来年度にプラント建設、06年度から3年間にわたって実証試験を実施する。
(新潟日報 2004年8月21日)

■中央農業研究センター、100%BDFでバス運行

農業・生物系特定産業技術研究機構中央農業総合研究センターは、8月19日、ナタネ・ヒマワリ油を精製した100%ディーゼル燃料で業務用マイクロバスの運行を始めると発表した。同センターでは、茨城県谷和村の水田3haでナタネとヒマワリの輪作試験を実施している。茨城運輸支局から運行許可を取得済み。生産コストは1リットルあたり78円で市販の軽油とほぼ同等という。
(日刊工業新聞 2004年8月20日)

■パルプ製造過程の排水からメタンガスを抽出

苫小牧市勇払の日本製紙勇払工場は、パルプ製造過程で出る排水から燃料用のメタンガスを抽出する実証プラントの試運転を行っている。微生物がアルコール類をメタンガスに分解する働きを利用し、ガスを工場内の燃料として活用する。ビール工場などでは既に実用化されているが、製紙会社から出る排水はメタン発酵菌の活動を阻害する物質が多いため、未開発の分野だった。
(北海道新聞 2004年8月18日)

■資源エネ庁、バイオマスモデル事業に予算15億円を要求へ

経済産業省資源エネルギー庁は、2005年度にバイオマス・エネルギーを対象にした地域モデル事業を支援するため、05年度予算で15億円を概算要求する方針を固めた。NEDOを通じて事業費の100%を補助する。「バイオマスタウン構想」に役立つ事業を対象に、バイオマスを使ったエネルギー分野で、民間企業によるモデル事業を立ち上げる。
(電気新聞 2004年8月18日)

■経産省、クリーンエネルギーの地域内自給推進へ補助金

経済産業省は、バイオマスなどのクリーンエネルギーで地域内の電力を自給自足するシステムを設ける事業者に補助金を出す方針を決めた。同省が想定する自給自足システムは、工業団地や住宅団地など一定の地域内で新エネルギーや燃料電池などの分散型電源で効率的に電力を融通しあうもの。新エネ普及のために05年度予算で要求する約320億円の事業者向けの補助金枠から支出する。
(朝日新聞 2004年8月18日)

■中国、新エネルギー発電に2兆円投資へ

中国政府は、2020年までに、風力や太陽光など新エネルギーによる発電所の整備に1400億元(約1兆9600億円)を投じる。内モンゴル自治区やチベット自治区などに風力、太陽光発電設備を重点的に設置していく。自動車の燃費改善促進策も打ち出し、省エネ型社会への転換を目指す。
(日本経済新聞 2004年8月18日)

■タイのバイオマス発電、本格化に黄信号

8月16日付けのバンコクポストによると、タイ政府は、バイオマスなど再生可能資源を燃料とする発電の比率を2011年以降に全体の5%に高めたいとしているが、もみ殻やバガス、木材チップは他業種での需要が高まっているため、すでに供給不足と価格高騰が深刻化しているとの指摘が出ている。燃料供給やコストの不安定性に加え、政府の補助金制度が不透明なことも目標実現の障害。現在のバイオ
マスなどを利用する発電所は20プラントで、総発電量の1%程度にとどまっている。
(NNAアジア経済情報 2004年8月17日)

■アラコ、自動車用植物性素材を増産

トヨタ自動車系のシート最大手、アラコはケナフを原料とする自動車用繊維素材を増産する。2005年度に今年度の約2倍の3000トンを生産。現行のドア部品だけでなく、ボンネットや内装パネルにも用途を広げる。5億円を投じてインドネシア・スラバヤの工場に第二ラインを新設。来年1月に稼動する。衝突時に歩行者が受ける衝撃を軽減するボンネット構造採用が義務付けられたことも植物素材採用が広がる可能性が出ている。
(日本経済新聞 2004年8月16日)

■GM、ブラジルで3燃料に対応するマルチ燃料車を販売

米ゼネラル・モーターズ(GM)は、世界で初めてガソリン、アルコール、天然ガスの3燃料に対応する「マルチ燃料車」を今月からブラジルで販売すると地元紙が報じた。運転パネルのボタンで燃料を選択でき、走行中でも切り替えられる。価格に応じて燃料を選べるため、経済的。2003年3月には、フォルクスワーゲンがガソリンとアルコールの両方に対応する車を販売、今年1-7月で15万台を販売
し、小型車市場の28%を占めるヒット商品となっている。
(NIKKEI NETクルマ 2004年8月13日)

■京都府、府内産木材製品のデザインを募集

京都府が、府内産のスギや竹を使ったイス・ベンチのデザインを募集している。一般の住宅や公共施設などでの利用を念頭に置き、特に高齢者などが使いやすいように工夫を施したもの。優秀作品については商品化を検討する。応募は、所定のサイズの用紙にイメージスケッチなどを作成して提出。10月29日締切り。
(J−FIC WEB NEWS 2004年8月13日) http://www.j-fic.com/

■大豆かすから婦人用肌着

名古屋市の御幸ホールディングスは、食用油を搾った後の大豆かすを細かく砕き、煮溶かした上で繊維にしたものを100%利用した婦人用肌着を、同グループの肌着メーカー、アングル・ミユキが8月下旬に売り出すと発表した。絹のような手触りと光沢が特徴で、抗菌効果もあるという。タンクトップや七部袖など5種類あり、主要百貨店で取り扱う。
(京都新聞 2004年8月11日)

■バイオマス燃料使用ボイラー損傷防止技術

スウェーデンでは、バイオマス燃料を使用する際のボイラー損傷を防ぐ試行研究が進んでいる。シャルメシュ工科大学のスヴェンソン助教授は、燃料の蒸気量を減少させることや、燃料のアルカリ塩が鉄鋼の表面付着を防止すること、例えば木材チップを燃料にする場合、少量の泥炭や硫黄分を直接付加することを提示している。バイオマス燃料ボイラーに適した合金の開発研究も行っており、珪素と
マンガンの割合を増加させることが腐食防止に有効との実験結果が出ている。
(NEDO 海外レポート No.937 2004年8月11日)
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/937/937-05.pdf

■岡山県、木質バイオマスからエタノールを製造する実証プラントを建設

岡山県は、NEDOからの補助を受け、同県久世町の真庭産業団地にセルロース系バイオマスからエタノールを取り出す2t/日の実証プラントを建設する。プラント技術は三井造船が提供する。廃木材や間伐材を細片化して粉体処理し、発酵してエタノールを得る。同県が打ち出しているグリーンバイオ・プロジェクトの柱。県内で発生する木質バイオマスの安定供給など具体的な商用プラントの立地スキー
ムを作り上げて、4年後をめどに実用化へもっていく計画。
(日刊工業新聞 2004年8月10日)

■台湾、再生エネルギー電力買取をてこ入れ

台湾行政院は、エネルギー自給率の向上および脱原発政策推進のため、先月、台湾電力に対し、水力や風力などの再生エネルギー買い取り価格を1kWhあたり2台湾元に引き上げること、買い取り枠を60万kWに倍増させること、買い取り保障期間を15年に延長し、将来は全面的に開放することを正式に求めた。
(NNAアジア経済情報 2004年8月10日)

■ ケリー候補、2020年にエネルギー供給の2割を再生可能エネの目標

米民主党のケリー大統領候補は、8月6日、政権獲得に向けた包括的なエネルギー政策を発表した。2020年までに供給エネルギーの2割を太陽光・風力発電やバイオマスなど再生可能エネルギーに切り替える目標を掲げた。自動車燃料の20%も、エタノールなど米国内で生産される石油代替燃料への切り替えを推し進める。このために官民共同事業「クリーン・フューエル・パートナーシップ」を開始する。クリーンエネルギー技術の開発に総額200億ドルを投じるとしている。
(日本経済新聞 2004年8月7日)

■農林水産省木材利用拡大行動計画 15年度は順調に進展

林野庁は平成15年8月にまとめた「農林水産省木材利用拡大行動計画−木を使おう行動計画」の内容に基づいた15年度の取組み状況を公表した。同計画は、1)農林水産省関係公共土木工事で設置する柵工・土留工などの施設、2)農林水産省関係補助事業で設置する建築物、3)農林水産省や関係機関の庁舎、4)農林水産省や関係機関の備品・消耗品について、木材の導入目標値を定めた。今回の公表結果によると、15年度は公共土木工事の安全柵、手すりの木製割合88%、補助事業対象施設の木造率78%を達成。また本省課長・室長以上の事務机の木製品化は80%、間伐材封筒の使用約は約100万枚にのぼったという。
(EICネット 国内ニュース 2004年8月6日)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=8210&oversea=0

■廃活性白土からBDF

水澤化学工業と静岡大学農学部の朴龍洙教授は、天ぷら油やサラダオイルをつくる工程で脱色処理に用いられた活性白土に、触媒となる酵素を数%から10%の割合で混合しタンク内で反応させることによって、バイオディーゼルオイルを製造することに成功した。油脂分を5%含んだ廃白土1tから50kgの燃料を生産できるとしている。
(日刊工業新聞 2004年8月6日)

■木質ペレットを消雪に利用

山形県は、同県村山市楯岡の楯岡陸橋で、路面の凍結・積雪対策として、木質バイオマスエネルギーを活用した国内初の無散水消雪システムを導入する改修工事を進めている。JR奥羽本線を東西にまたぐ県道寒河江村山線の楯岡陸橋は、地下水をくみ上げて消雪していたが、水蒸気の発生による視界不良、地盤沈下などの懸念もあり、数年で中断した。木質ペレットを燃料とする大型ボイラーで不凍液を温め、路面下の管を循環させることで消融雪する。工事区間は延長約330m、総事業費は2億7500万円。
(山形新聞 2004年8月5日)

■環境省、企業の自主的な排出量取引制度を来年度開始へ

環境省は8月3日、企業の自主的な参加による国内排出量取引制度を来年度から始める方針を固めた。企業側は事業所ごとに同省と削減目標を取り決め、そのために必要な省エネ機器やバイオマス発電設置などの補助金を受ける。目標よりも削減できた分は、達成できなかった企業に売ることができる。同省は、1事業所につき約1億円の補助を考え、05年度予算の概算要求に盛り込む。来年度20〜30事業所の参加を見込み、数十万トン分のCO2を削減できるとしている。大手企業ではキリンビールが参加する。
(朝日新聞 2004年8月4日、日本経済新聞 8月18日)

■滋賀県で路線バスにBDF利用

近江鉄道(彦根市)と江若交通(大津市)が10月から、共同でBDFを使ったバスを運行することになった。琵琶湖大橋を経由してJR守山駅と堅田駅を結ぶ「びわこ横断エコバス」で、環境に配慮した公共交通の実証実験として位置づけている。琵琶湖大橋の通行料は県が補助する予定。滋賀県や両社、沿線市町などは8月2日に「琵琶湖横断エコ交通推進協議会」を設立。パンフレットやポスターで利用者を現在の一日16人から2006年度300人に増やす考え。
(読売新聞 2004年8月3日)

■亀岡市でバイオマス活用委員会が発足

京都府亀岡市は、バイオマスエネルギーを地域に導入するため、森林組合や建設業団体、電力会社など地元企業や学識者でつくる「市バイオマスエネルギー利活用詳細ビジョン策定委員会」を8月3日、発足させた。燃焼熱による発電やガス化、肥料化など、さまざまな利用法を検討し、来年3月に報告書をまとめる。
(京都新聞 2004年8月3日)

■公営宿泊施設にチップボイラー導入

今年4月にオープンした和歌山県龍神村営宿泊施設「季楽里龍神」に木質の生チップを燃料とするチップボイラーを導入したことで、チップの原料となる村内の未利用材の活用が順調に進んでいる。未利用材は、龍神村森林組合が運営する間伐材流通センターで発生した端材。森林組合はこれまで90万円をかけていた処理費が浮き、さらにチップ代として乾重量1kgあたり11円で販売、計360万円の売り上げが出る計算。
(紀伊民報 2004年8月3日)

■松下電工、マレーシアでケナフ繊維ボード量産化へ

松下電工株式会社は、マレーシアで最大のパーティクルボードメーカーMIECO社と共同でケナフを繊維ボードに加工し、販売するミエコ松下電工株式会社を設立することに合意した。製品は構造用壁下地材向けを中心に事業展開を図り、2007年に月平均20万枚のケナフボードを生産、年間20億円の売り上げを目指す。松下電工は、マレーシアの機関等と協力し、ケナフのプランテーション栽培(単一農作物の大規模商業生産)に道筋をつけた。加工過程で発生するバイオマスで発電し、工場の動力源に代替する予定。このバイオマス発電はCDM事業基礎調査に採択された。
(同社HP 2004年8月3日)
http://www.mew.co.jp/press/0408/0408-2.htm

■さとうきび繊維から夏用シャツを製造

沖縄県、三菱製紙株式会社、シキボウ株式会社および新内外綿株式会社は、沖縄県特産のさとうきび(粟国島産)から繊維を抽出して、衣料用に活用する技術を共同開発し、この技術で沖縄県特産の衣料「かりゆしウエア」を制作し販売する。3社はこの紡績糸から、沖縄県特産衣料「かりゆしウエア」(夏用半袖プリントシャツ)を制作し、初回分は三菱製紙が「LOVE CANE(ラブ・ケーン)」のブランド名で企画し、限定販売する。
(三菱製紙HP 2004年8月3日)
http://web.infoweb.ne.jp/mpm/news/040803.html

■グリーン購入集成材の登録製造業者をWEB上で公開

日本集成材工業協同組合が「グリーン購入集成材」の登録製造業者をWEB上で公開している。グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)で、原料の一部に間伐材等を使用している集成材(「グリーン集成材」と略称)が特定調達品目に指定されたのを受けての対応。同協組の組合員だけでなく、非組合員も対象に、6月から登録申請を受け付け、7月から公開を始めた。ホームページアドレスは、http://www.syuseizai.com
(J−FIC 2004年8月2日) http://www.j-fic.com/

■沖縄でのバイオエタノール実証事業

沖縄の石油会社「りゅうせき」がバイオエタノールの製造技術開発を担当し、沖縄製糖工場内にエタノール製造プラントを製造、従来回収処分されていた糖蜜からエタノールを製造、貯留する。エタノールを油槽所内に受け入れ・混合・貯蔵し、島内の自動車に供給し実証する計画。現段階では、年間3000tの糖蜜を使って90tのバイオエタノールを製造する予定。
(Earth Guardian 2004年8月号)

■「選別された木くずは産廃ではない」地裁判決に環境省が反論

今年1月に水戸地裁が出した異例の判決に環境省が反論。廃棄物に該当するかどうかは、所有者の意思や市況の変化などの影響を常に受けざるを得ない不安定なもので、客観性からいえば、有償性による判断が望ましいとしている。循環型社会に逆行するという指摘に対しても、廃棄物処理法は特定のものを廃棄物から除外することによってリサイクルを促進するのではなく、許可取得を不要にする特例制度を設けるなど、適正処理を担保した上でリサイクルを進めることを意図していると主張。
(日経エコロジー 2004年8月号)