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2004年6月
■バイオマス製品を使ってあさがおを育てる環境教育プロジェクトを開始
農林水産省は生分解性プラスチックを使った鉢とバイオガスをとりだした後に残る固形分から作った堆肥を使って、あさがおを育てる環境教育プロジェクトを実施することにした。あさがおの種、バイオマスプラスチックでできた鉢とつる用ネット、バイオガスをとりだした固形分から作った堆肥−−が入っている「あさがお栽培セット」1000セットを、東京と埼玉の小学校11校、9つの幼稚園、保育園に配布。試験的に教材として使用してもらうともに、小学生向けインターネットサイトの「とびだせ学級クラブ」の中で栽培記録の公表、情報交換を行うとしている。
(EICネット 国内ニュース 2004年6月30日)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=81&serial=7916
■京都府、コンクリート型枠を府内産間伐材合板に全面切り替え
京都府が、治山・林道工事などで使用するコンクリート型枠を、従来の外材合板から府内産スギ間伐材合板に全面的に切り替えると、23日に発表した。全国で初めての取り組み。府の型枠適用基準で、「標準」として指定する。大手合板メーカーの林ベニア産業(株)(大阪市中央区)が、来年度の実用化を目指して開発(JAS製品化)を進めている。
(J−FIC 2004年6月29日) http://www.j-fic.com/
■日本政府、中部電力参画のタイもみがら発電事業をCDMとして承認
中部電力が開発を進めているタイのピチット県におけるATBもみがら発電事業を、日本政府は6月29日、CDMプロジェクトとして承認した。同事業は、タイ北部の穀倉地帯に出力2万kWの発電所を開発するもの。年15万tのもみがらを燃焼させる。年間約8.4万tのCO2排出削減クレジットが発生する見込み。
(中部電力HP 2004年6月29日)
http://www.chuden.co.jp/press/data/pre2004/pre0629.html
■国交省、バイオディーゼル専用車開発へ
国土交通省は、「バイオマス燃料対応自動車開発促進事業検討会」を設置し、05年度末をめどに高濃度バイオディーゼル(BDF)燃料で走るトラックを開発する方針を決めた。開発目標として、NOXは新長期規制の1/4、粒状物質は1/2という排ガス性能を掲げ、燃費と出力は既存のディーゼル車と同程度とした。経産省は既存車に使っても問題のない混合率を策定中だが、本来は高濃度あるいはBDF100%で走る車両が望ましい。国交省はBDF専用車の基礎研究や安全・環境性能の確認などを行い、普及につなげる考え。
(日刊自動車新聞 2004年6月29日)
■エネ庁、E3実用化へ全国6カ所で給油実験−品質や安全性を確認
資源エネルギー庁は、エタノール3%混合ガソリン(E3)の実用化に向け、新日本石油精製・横浜製油所(横浜市)でE3を製造する設備を設け、近く、気候条件の異なる全国6カ所のガソリンスタンドで給油する実証実験に乗り出す。
(日刊工業新聞 2004年6月28日)
■アジアを主な投資対象とするESCO・再生可能エネルギー事業ファンド
中部電力、北海道電力、三菱商事、国際協力銀行は、アジア地域を主な投資対象地域としたESCO・再生可能エネルギー事業向け投資ファンド(通称アジアESCOファンド)に出資を行った。本ファンドの総額は、現時点で約5000万米ドル。国際協力銀行はアジア地域の政府等に対する交渉力、投資先国のカントリーリスクや投資環境に関する情報提供機能を活用し、日本企業の海外における新たな環境ビジネスを支援する。中部電力と三菱商事は、投資案件の発掘・評価等を行う本ファンドの投資管理を請け負う会社に社員を1名づつ出向させ、各社の保有する技術・ノウハウ・ネットワークを活用して、本ファンドの投資案件の評価にも関与して行く予定。
(国際協力銀行HP 2004年6月28日)
http://www.jbic.go.jp/autocontents/japanese/news/2004/000061/
■ハリウッドスターが新エネを先導
デニス・ウィーバー、キャメロン・ディアス、トム・ハンクスら米国エンターテイメント業界の大物たちが、クリーンエネルギーを使用する自然にやさしいライフスタイルを実践し、普及に努めている。デニス・ウィーバーは代替燃料車のキャラバンを2度にわたって組織。ダリル・ハンナはバイオディーゼル燃料を愛用しており、インタビューの際にPRに努めてきたとして全米バイオディーゼル協会から表彰を受けている。
(Hotwired 2004年6月25日)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040625204.html
■バイオマスプラスチックのコスト低減化技術開発事業をスタート
農林水産省は現在、石油を原料としたプラスチックに比べて高価なバイオマスプラスチックの製造コスト低減技術開発事業を平成16年度から3年間実施することを決めた。この技術開発事業は、調達コストの低い多様なバイオマスの利用、プラスチック製造工程でのエネルギー削減、効率的なリサイクルシステムの確立など、バイオマスプラスチックの製造コストの削減を達成するための要素となる技術開発をめざすもの。実施体制としては、民間企業、大学、独立行政法人らが共同で、北海道グループ、山形グループ、福岡グループの3つの研究グループを組織して技術開発にあたる。
(EICネット 国内ニュース 2004年6月24日)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=7874
■RPS法04年度義務量9.86%増加
資源エネルギー庁は、6月10日、RPS法に基づく電気事業者の04年度義務量を公表した。義務量総計は35億9975.4万kWhで、前年度から9.86%増加した。東京電力は10億7544.7万(9.10%増)、関西電力は6億5915.5(8.09%増)。
(週刊 エネルギーと環境 2004.6.24)
■岡山県北部で木質ペレット製造・販売へ
製材過程で出るおがくずや樹皮などの残材を燃料として実用化し、新作業創出を目指す動きが、岡山県北部の真庭地域で始まった。集成材メーカーの銘建工業は約1億円を投じ、木質ペレット加工プラントを建設、8月をめどに稼動させる。主に真庭の製材会社からおがくずなどを集め、2年後には年6000t程度を製造する計画。ペレットは、地域の製材会社や森林会社が共同出資し、8月に設立予定の「真庭バイオエネルギー(仮称)」が販売する。
(日本経済新聞 広島 2004年6月23日)
■三鷹市、ESCO事業の差益などで新エネ助成
東京都三鷹市は、市が公共施設で運用しているESCO事業により生じた差益の一部の積み立てや、市民からの寄付をもとに創設した環境基金を原資とし、民間事業者や非営利団体への助成を9月にも始める。
(日本経済新聞 東京 2004年6月23日)
■中国四国農政局、メルマガなどでバイオマス利活用を支援
中国四国農政局は、6月21日、バイオマスを使った製品開発などを促すため、普及啓発に向けてバイオマスの活用事例などを紹介するメールマガジンの発信を開始した。同農政局や中国経済産業国、中国地方整備局など関係12機関からなる「中国四国バイオマス関係機関連絡会議」が配信。メールマガジンは2-3ヵ月に1回程度配信。登録すれば、誰でも配信される。
(日本経済新聞 中国 2004年6月22日)
中国四国農政局HP http://www.chushi.maff.go.jp/
■ドイツでカーボン・ニュートラル・プロジェクト「Atmosfair」が始まる
飛行機を利用した移動で発生するCO2を、再生可能エネルギー施設への投資を通じて相殺するプロジェクト「Atmosfair」がドイツで始まった。航空機の利用者は、同プロジェクトのホームページ上で、自らの移動がもたらしたCO2排出量を計算する。そして、事業を通じ、途上国の再生可能エネルギー施設に投資をすることができる。この投資は、CDM事業の一環としても認められる。
プロジェクトの実行者は、ドイツ連邦環境省、持続可能な旅を提案する中小企業の連合体「forum anders reisen」、NGOのGermanWatch、500PPM。
(EICネット 海外ニュース 2004年6月22日)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=11&serial=7976
■葛巻町で家畜糞尿利用のPEFCコジェネ実証へ
清水建設、三洋電機、岩谷産業、オリオン機械と東北大学は、岩手県葛巻町畜産開発公社と共同で家畜糞尿をメタン発酵したバイオガスを燃料に1kW級の固体高分子型燃料電池(PEFC)で発電、熱も利用する実証プラントを葛巻町に完成、本格運転試験に入る。日量1.1tの牛糞をメタン発酵、19m3のバイオガス(メタン60%)を発生、メタン濃度を99%まで濃縮、燃料電池へ供給する。
(日刊工業新聞 2004年6月22日)
■十勝のビートをバイオエタノールの原料に
北海道には6万8000haのビート(サトウダイコン)畑がある。ビートもバイオエタノールの原料となるが、サトウキビより面積当たりの収量が多い。十勝圏振興機構は、今年度からバイオエタノール企業化調査に乗り出した。規格外の小麦もエタノール化し、残渣は飼料化。ビートは細かく裁断して砂糖とエタノールに分ける。同機構の有塚利宣理事長は、十勝農業の活路を資源作物に見出そうとしている。
(日刊工業新聞 2004年6月21日)
■あきる野市、木質バイオマス利用温泉施設建設へ
東京都のあきる野市が、木質バイオマスを利用した温泉施設をつくる。地元の秋川木材協同組合(7業者で組織)を中心に原料バイオマスの供給を受け、チップボイラーにより給湯などを行う。当初は補助熱源の位置づけだが、将来的には小規模な発電も実施する計画。総事業費は約13億円で、合併自治体(同市は平成7年に秋川市と五日市町が合併)が発行できる地域総合整備事業債を財源にする。今年度中に基本設計を終え、平成18年秋にオープンの予定。
(J−FIC 2004年6月21日) http://www.j-fic.com/
■経済産業省、「新エネルギー産業ビジョン」を公表
経済産業省は、6月20日、「新エネルギー産業ビジョン」を策定した。新エネルギーを補助金頼みではなく、市場環境を整備して産業としての競争力を高める政策に転換する必要があると判断した。異なる種類のエネルギーのネットワーク化やグリーン証書などのブランド化、新エネルギー・コーディネーターなどの人材育成、アジア地域への展開などの施策を挙げている。太陽光、風力、バイオマスの市場規模は2003年の4500億円から2030年には6倍強の3兆円に、雇用規模も31万人程度を見込んでいる。
(読売新聞 2004年6月21日)
経済産業省HP 新エネルギー産業ビジョン http://www.meti.go.jp/press/0005361/index.html
■石川島播磨、バイオマスボイラーを東南アジアで拡販
石川島播磨重工業は木くずなどのバイオマスや廃棄物を燃料にする循環流動層ボイラーを東南アジアで拡販する。設計の変更で小型化して材料の使用量を減らし、モーターなど付属機器も性能を必要最低限に抑えた低価格機種を開発、年内にも販売を始める。能力は蒸気発生量が1時間あたり40−400トン前後で、発電出力は2000kW−3万kWになる見通し。価格は2億−10億円程度。紙パルプや石油化学など民間企業の需要を開拓する。
(日経産業新聞 2004月6月21日)
■音楽会のイルミネーションは廃食油で
鳥取市瓦町の三角公園で、6月19日、廃食油を燃料としたイルミネーションで演出された音楽会が開かれた。鳥取商工会議所がエコアジア2004の関連イベントとして企画した。イルミネーションは間伐材で作ったドームに取り付けた電球を廃食油利用の発電機で点灯するもので、鳥取環境大学の吉村元男享受が開発したもの。参加者への廃食油持参が呼びかけられた。
(毎日新聞 2004年6月21日)
■ドイツ、改正再生可能エネルギー法案を調整・合意
6月18日、ドイツ連邦議会は、改正再生可能エネルギー法案を承認した。改正法案では、バイオマスとコジェネレーションに対する買取補償を強化すること、新しい風力発電施設に対する買取補償について、基準発電量の60%を達成する証明が必要となること、2020年までにドイツにおけるエネルギー需要に占める再生可能エネルギーの割合を20%にすること等が定められる。トリッティン環境大臣は、「再生可能エネルギー拡大のための最善のコンセンサスが達成された。これは、地球温暖化対策や雇用創出にも貢献するであろう」とのコメントを発表した。
(EICネット 国内ニュース 2004年6月18日)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=61&serial=7959
■オランダ政府、持続可能な木材の調達を推進
オランダ住居・国土計画・環境省のファン・へール国務大臣は、持続可能な木材の調達に関する提案を閣議で行い、了承された。今後、オランダの全ての政府機関は、政府の契約する事業において、合法的な木材だけが使用されるよう対策を講じる。また、長期的な目標として、完全に持続可能な木材だけが利用されるようになることを目指し、持続可能な供給源からの木材を選択すべく、あらゆる努力がなされなければならない。内閣は率先例となることを望んでおり、また、同様の協定に合意できるよう、州
や市町村、住宅協会などと協議を始めたいとしている。
(EICネット 海外ニュース 2004年6月18日)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=11&serial=7970
■四国電力がロシアでメタン発電FS
四国電力は、ロシア連邦西シベリア地方スルグート市で埋立処分場のメタンガスを利用したコジェネ発電の事業化調査(FS)を実施する。埋立処分場から発生するメタンガスを回収し、出力500kW級のコジェネ設備でエネルギー源として有効活用を図るもの。電力は配電網に供給、熱は近くの花き栽培用温室に供給する。CO2換算で年間約4万tの温室効果ガス排出削減につながると試算している。
(電気新聞 2004年6月18日)
■北海道電力がタイでメタン発電FS
北海道電力は、タイでバイオマスを利用したコジェネ事業の事業化調査(FS)を実施する。環境省が募集してしていたCDM事業調査として採択された。タイ東部チョンブリ県の沿海工業団地から出る一般ゴミを原料に、バイオガスを回収して2000kW級の発電設備により、熱電供給する事業。現在、ゴミは埋立処分されており、メタンガスが発生している。CO2換算で年間約8万tの温室効果ガス削減につながると試算している。
(電気新聞 2004年6月17日)
■島根県が新税「水と緑の森づくり税」構想
島根県は6月16日、森林保全に役立てる新税の構想を明らかにした。県民税を増税して年間1億6千万円の税収を確保。間伐や間伐材の販売促進経費に充てる。県民意見を募集し、早ければ来年度の導入を目指す。構想によると、個人県民税の均等割り額千円に年5百円を追加。法人県民税は資本金に応じた各企業の均等割り額の5%に相当する千円−四万円を徴収する。
(山陰中央新報 2004年6月17日)
■ケリー氏勝てば京都議定書に復帰 米リチャードソン知事
米民主党の実力者で7月の党大会議長を務めるリチャードソン・ニューメキシコ州知事は6月16日、東京の日本記者クラブで記者会見し、同党のケリー上院議員が11月の大統領選で勝利すれば、地球温暖化防止のための京都議定書への復帰を目指すとの考えを強調した。同知事は「議定書への復帰は民主党の政策」と言明、ケリー氏が勝てば、議定書からの離脱を決めたブッシュ政権の方針を転換するとの見通しを示した。
(共同通信 2004年6月16日)
■群馬県のバイオマス利用の取り組み
群馬県では、2000年から3カ年計画の木質バイオマスの利用推進事業を実施。最終年度には、各市町村と地域利用研究会などを組織した。この他、バイオマスに関心を持つ企業や大学関係者、自治体職員、一般県民などの「バイオマス勉強会」が昨年5月から今年4月までに計7回、粕川村で開かれた。宮城村では、豚糞尿を発酵させて生じたメタンガスを利用する燃料電池コジェネシステムの実証実験がNEDOの支援を受け、スタートしている。
(上毛新聞 2004年6月16日)
■欧州委員会、EUの再生可能エネルギー導入目標達成の見通しについてレビュー
5月26日、欧州委員会は、域内における再生可能エネルギー導入促進に関する政策措置レビューの報告書を公表した。2010年までの導入目標はエネルギー消費全体の12%だが、これまでに導入してきた施策を勘案しても10%程度の水準にとどまり、目標達成には各国における追加的な政策措置の実行が必要としている。発電電力量に占める再生可能エネルギーからの電気の比率も、22.1%の目標に対し、2000年での実績が14%、目標年では18〜19%程度にとどまる可能性を指摘している。
(電気新聞 2004年6月16日)
■農水省、「立ち上がる農山漁村」有識者会議を設置
農林水産省はこのほど、農林水産業を核に、自律的で経営感覚豊かな農山漁村づくりを目指す先駆的な事例を、「立ち上がる農山漁村」として奨励する制度を創設。学識経験者ら9名で構成する「立ち上がる農山漁村」有識者会議(座長=林良博・東京大学副学長)を設置した。6月14日に第1回会合が開催され、30事例を選定。森林・林業関係では、北海道黒松内町・北限のブナをシンボルとした里づくり、宮城県・牡蠣の森を慕う会(畠山重篤代表)による森と海の交流、大阪府森林組合・木質ペレットの製造と活用、高知県檮原町森林組合・FSC認証取得と風力発電による山村づくりなどが選ばれた。
(J−FIC 2004年6月16日) http://www.j-fic.com/
■クラレ、倉敷でバイオマス燃料使用を拡大
クラレは、6月15日、岡山県倉敷市にある倉敷事業所におけるバイオマス燃料(建築系解体木屑)の使用を、これまでの年間1000tから16,000tに拡大すると発表した。今年12月から本格稼動する予定。同社は87年から循環型流動層ボイラーによるサーマルリサイクルに取り組んでいる。今回対象としているバイオマス燃料(木屑16,000t)は建築系の解体木屑で、NPO法人「中四国木材資源リサイクル協会員」会員で、破砕量も多く品質管理にも理解のある工場近隣の3社((株)トーヨー商事、(株)松田組、(有)片岡久工務店)から供給を受ける。
(同社HP 2004年6月15日)
http://www.kuraray.co.jp/release/2004/040615.html
■サミット採択文書に違法伐採対策促進が盛り込まれる
6月10日に閉幕したシーアイランド・サミット(主要国首脳会議)において、違法伐採対策の強化が合意された。サミット最終日に採択された「持続可能な開発のための科学技術の次なる措置:3Rイニシアティブに関する行動計画」の中に、「アジア林パートナーシップ、コンゴベイスン森林パートナーシップ等を通じ、持続可能な森林経営及び違法伐採対策を促進」との一文が盛り込まれた。なお、サミットでは、2000年の九州・沖縄、2002年のカナナキス、2003年のエビアン等でも、違法伐採対策の強化に関する文書が採択されている。
(J−FIC 2004年6月15日) http://www.j-fic.com/
■東北電力がカザフスタンで下水汚泥発電のFS
東北電力は、環境省の共同実施事業調査の採択を受け、来年3月までの予定で、カザフスタンにおける「下水汚泥等を活用したバイオガス発電事業化」に関する事業可能性調査(FS)を実施する。これまで埋立処理され、空気中にメタンガス放出していた下水汚泥などの有機廃棄物を、発酵処理によってメタンガスを発生させ、燃料とする。3000kW級の発電設備により、熱電供給を行う。年間約17万tの温室効果ガス排出削減クレジット獲得のメリットが期待できると見ている。
(電気新聞 2004年6月15日)
■韓国でも新・再生エネルギー市場が活性化
韓国国内有数の大企業が新・再生エネルギー市場に相次いで参入している。鉄鋼最大手のポスコは、燃料電池事業に参入するため、米企業と技術提携交渉を進めている。ポスコが発電市場に参入した場合、韓国電力の独占構造も崩れるとの見方が強い。現代モービスは今年3月末、金浦埋立地に韓国国内最大規模の埋立ガス発電(50MW級)を完成。韓国の産業資源部は、2011年までに新・再生エネルギーの比率を5%まで引き上げる計画を掲げている。
(NNAアジア経済情報 2004年6月15日)
■丸紅テクノなど、タイでエタノール抽出事業立ち上げへ
丸紅テクノシステム、月島機械、サッポロビールの3社連合は、タイでサトウキビからエタノールを製造するモデル事業を立ち上げる。NEDOの委託を受け、04年度に企業化の調査を行う。月島機械が米国から導入して研究を進めている高効率エタノール転換技術を利用する。タイはサトウキビから砂糖とエタノールを抽出する事業を各地で進めており、このエタノールは日本へも輸出されている。
(日刊工業新聞 2004年6月15日)
■タイ北部でバイオディーゼルの開発施設建設開始
6月11日付バンコクポストによると、北部チェンマイ県で代替燃料バイオディーゼルを開発する施設の建設が始まった。建設費用は400万バーツ程度で、年末の完工を目指す。バイオディーゼルは政府主導のプロジェクトで、フライドポテトの使用済み油やラードが原料となる。北部のミニバスなどに導入する予定で、同施設では大学などと共同で研究を進める。バイオディーゼルの生産コストは1リットル当たり4バーツと推定される。原料コストは同7〜8バーツ。(1バーツは現在、約2.8円)
(NNA アジア経済情報 2004年6月14日)
■滋賀県竜王町、バイオマス利用プロジェクトの事業化を決定
竜王町は、地元の企業が排出するおがくずやもみ殻など熱や電気のエネルギーをつくる「廃棄質バイオマス利用プロジェクト」の事業化を進めることを決めた。昨年度、町民や議員、事業関係者ら11人で「町エコタウン・新エネルギー事業化推進委員会」を組織して検討の結果、町で第三セクターを設立し、キノコ生産工場から出る廃おがこ、もみ殻、せん定枝などを利用し、ガス化発電して関西電力に売電することなどを検討してきた。本年度、新たに委員会を立ち上げ、具体化に向け、さらに検討する予定。
(京都新聞 6月13日)
■和歌山県中辺路町のバイオマス発電所、ご破算
和歌山県が中辺路町に誘致を計画していた間伐材を燃料とするバイオマス発電所(出力127kW)の建設事業が、誘致企業の辞退でご破算になった。誘致予定の2企業間で、資金や分担方法の話し合いが決裂。また、燃料にする間伐材やチップなどが有償か無償か、運搬車2台で1日あたり12tとされる間伐材の搬入方法、集積場の確保など、県、企業と地元森林組合、町などによる条件の調整も煮詰まらなかった。
(紀伊民報AGARA 2004年6月13日)
■排出権の会計基準を整備
企業会計基準委員会は、CO2排出権取引の会計基準作りに乗り出す。現在は、排出権を取得するための資金拠出に対する明確な会計ルールがないため、基準を整備し円滑な取引につなげるのが狙い。基準策定のための専門委員会を設置、半年から一年をかけて検討する。
(日本経済新聞 2004年6月12日)
■岩手県衣川村でチップボイラー導入
衣川(ころもがわ)村では、村営温泉プールの水を「チップ焚きボイラー」で暖める装置を導入した。装置は、同村にある木質バイオマスの会社「衣川フォーレスト」が設置した。経費は約2千万円だが、エスコ事業として、同社と年間40万円で運転する契約をした。従来かかっていた人件費がかからなくなるため、同村にとって年間110万円の経費節減になる。村内の間伐材などからつくったチップをボイラーで燃やし、発生させた高圧蒸気で温水を連続的供給できる。
(朝日新聞 2004年6月12日ほか)
■バイオマスから燃料電池用水素を製造
国土交通省は、6月にも、北海道大学、日本製鋼所などと共同で家畜糞尿や下水汚泥などのバイオマスから水素を製造、燃料電池で発電するシステムの実証実験に乗り出す。実証する技術は、北大触媒科学研究センターの市川勝教授の研究成果で、システムでは、水素を液体の有機化合物の中に閉じ込め、安全に貯蔵する。北海道別海町に実験施設が完成した。
(日本経済新聞 2004年6月11日)
■中国、新規電力設備の10%を自然エネルギーで
中国は、ドイツのボンで開かれた自然エネルギー04国際会議で、2010年までに新規電力設備の10%を小水力、風力、太陽光発電の自然エネルギーでカバーする大幅な増強策を公表し、大きな注目を浴びた。新エネだけで6000万kWを追加、うち小水力で5000万kWを設置する戦略。05-06年までに自然エネルギー促進法の施行を目指すことも明らかにした。
(日刊工業新聞 2004年6月10日)
■新日本製鐵がバイオマスガス化システムの開発に着手
新日本製鐵(株)は、間伐材や建築廃材などを原料とするガス化システムの開発に着手。今月から実証運転を開始し、来年度、応用試験を実施する。プラントは、中部電力(株)新名古屋火力発電所構内に建設され、日処理量は3.5トン。生産されるガスは、水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスで、ガスエンジンやタービン、燃料電池による発電、化学原料などの用途が想定されている。
(J−FIC WEB NEWS 2004年6月10日)http://www.j-fic.com/
■東電もRPS法の義務達成、バイオマス発電が約8割
RPS法に基づいた電気事業者の2003年度義務量の届出が6月1日に締め切られ、義務対象25社すべてが届け出た。直前まではっきりしなかった東京電力についても、義務量を達成した。同社の達成の内訳のうちバイオマス発電(すべて自治体の清掃工場)が7.8億kWhと、約8割を占めた。
(週刊エネルギーと環境 2004年6月10日)
■廃食油で鉄道を走らせる
岡山県井原市は、家庭から出る廃食油をリサイクルしてつくるバイオディーゼル燃料を、第三セクター鉄道の井原線の列車などに活用できるかどうかを探る調査に乗り出す。列車での利用が実現すれば、全国初の取り組みになる。井原線沿線の菜の花から菜種油を製造し、家庭で使い終わった後は燃料に−といったプランなどを描いている。
(中国新聞 井笠おかやま 2004年6月9日)
■福岡水素エネルギー戦略会議立ち上げへ
新日本製鉄、トヨタ自動車など約60社と九州大学、福岡県が7月にも「福岡水素エネルギー戦略会議」を立ち上げる。来年度オープンする九州大学新キャンパスを水素社会の実験場とする。バイオガスや都市ガス改質、風力発電などで水素を作る。パイプラインも設置して水素を運搬し、建物内の定置用燃料電池やバスなどの燃料として使う。
(環境新聞 2004年6月9日)
■千葉、沖縄で「農林水産バイオリサイクル研究」
農林水産省の農林水産技術会事務局は、「農林水産バイオリサイクル研究」の一環として、今年度から千葉・沖縄両県でバイオマス利活用による地域循環システムの実用化研究に着手する。千葉県では、山田町を対象に家畜排泄物や作物残渣などのバイオマス多段階利用システム構築と実証を行う。沖縄県宮古島では、バガスや廃糖蜜、脱水ケーキ、牛糞などを取り扱う。炭化、ガス化、メタン発酵、堆肥化技術を導入し、再資源化物の製造・農地還元と発電を行う。
(環境新聞 2004年6月9日)
■岡山バイオマスプラスチック研究会が設立
5月12日、岡山市で岡山バイオマスプラスチック研究会の設立総会が開かれた。同県には、澱粉からプラスチックの原料の生産を行う(株)林原、ポリ乳酸を扱う(株)クラレ、三菱化学(株)などがある。同会は、岡山県の特徴を生かし、自治体の産業政策、環境政策のを連動させることによりグリーンバイオ産業群の形成などを目的とするもの。
(THE GLOBE News 2004年6月、環境新聞 2004年6月9日)
■「明日の日本の林業を考える若手議員の会」第一回総会開催
自由民主党の当選1〜2回議員が「明日の日本の林業を考える若手議員の会」をつくり、6月8日に第1回総会を同党本部で開いた。会長に吉野正芳(衆・比例東北)、幹事長に谷川弥一(衆・長崎3区)、事務局長に城内実(衆・静岡7区)の各氏がそれぞれ就任。最高顧問に森喜朗元首相、顧問には松岡利勝、二田孝治、蓮実進の3氏が名を連ねている。現在約40名が入会。8日の総会では、中央林業団体の幹部から林材業の現状を聞いた後、意見交換を行い、国産材の利用拡大に向け品確法の見直しが必要――などの提案が出た。
(J−FIC WEB NEWS 2004年6月9日)http://www.j-fic.com/
■環境省がごみ処理見直しへ
環境省は6月8日までに、廃棄物を減らすための家庭ごみ処理のあり方の見直しを始めた。プラスチックごみの埋立をやめ、リサイクルか焼却による熱利用を原則とすることや、家庭ごみ収集の有料化を検討。年末までをめどに中央環境審議会で審議し、方針を公表する。
(共同通信 2004年6月8日)
■カナダのCPC社、マレーシアでオイルパーム廃棄物発電で合弁
バイオマス発電施設の建設・運営を手がけるカナダのキャン・パワー(CPC)は、オイルパームの未利用部分をエネルギー源とする発電施設の建設で、パーム油農園や精製業者に合弁事業を呼びかけた。すでにサバ州で受注を決めた。マレーシア政府は「第8次マレーシア計画」でバイオマス発電を振興する方針を打ち出している。同社によると10MW規模の発電所の建設費用は、1,200万米ドル程度。
(NNAアジア経済情報 2004年6月8日)
■市民エネ調が長期エネルギー需給見通しへ代替シナリオを提示
環境NGOやエネルギー専門家からなるオープンソースの集まり「市民エネルギー調査会」は、政府の総合資源エネルギー調査会需給部会で改定作業が進んでいる長期エネルギー需給見通しは妥協の産物に過ぎないとし、代替シナリオを発表した。市民エネ調は、失業率12.3%になる現状延長の「ゆでガエル」シナリオ、環境戦略産業の伸張を進める「いきガエル」シナリオ、スローライフを実現する「きりカエル」シナリオの3つを提示。広く議論を提起し、現在の硬直した日本のエネルギー政策を変えていきたいとしている。
(市民エネルギー調査会プレスリリース 2004年6月8日)
同会HP http://www.isep.or.jp/shimin-enecho/
■黒煙除去装置搭載バスでバイオディーゼル走行試験
ディーゼル用黒煙除去装置(DPF)製造販売の「コモテック」(埼玉県戸田市)は、入間郡毛呂山町とタイアップし、毛呂山老人福祉センターの送迎用マイクロバスを使って、バイオディーゼル燃料の走行試験を行っている。同社の黒煙除去装置を搭載したマイクロバスは従来、概ね100km走行ごとに、収集されたカーボンの処理が必要だったが、バイオディーゼル燃料だけを使用した場合、倍以上の約200kmごとの処理で済むという。
(埼玉新聞 2004年6月7日)
■埼玉県宮代町でBDF用ヒマワリ栽培
埼玉県宮代町では、5月29日、日本工業大学佐藤茂人研究室の学生や町民、町職員らで畑に約3000本のヒマワリを植えた。搾油した油は食用に使ったあと、バイオディーゼルにし、耕耘機で使う予定。現在は、大学の学食で出た油からつくっている。また、生ごみや牛糞、農業廃棄物などを発酵させ、メタンガスで発電する「畑の発電所」も設置。地域産業活性化につなげようと奮戦している。
(埼玉新聞 2004年6月7日)
■焼酎かすリサイクル工場が本格稼動
熊本市の球磨焼酎リサイクリーンは、5月末から、海洋投棄していた焼酎かすを濃縮・乾燥し、肥料・飼料原料として再利用するリサイクル工場を本格稼動させた。液体からエタノールを抽出してボイラーの燃料として再利用する。総事業費約7.3億円の半額に農水省からの補助金を当てた。
(日本経済新聞 2004年6月4日)
■四国運輸局が「菜の花エコ研究会」を設置
国土交通省四国運輸局は、地元の香川県トラック協会の要請にこたえ、菜種油を軽油に混合し、ディーゼルエンジンの燃料として実用化するための方策を検討する「菜の花エコ研究会」(仮称)を設置した。香川県トラック協会では、県内の休耕田で菜の花を栽培し、観光客誘致に役立てるとともに、トラック燃料として利用する自然循環型のシステムを構築したい考え。
(建設通信新聞 2004年6月3日)
■筑紫野市で、廃食油リサイクルスタート
福岡県筑紫野市は、市がごみ収集を委託している「クリーン筑紫野」社と共同で、市の施設から出る廃食用油を集めて精製し、ゴミ収集車の代替燃料に再利用する。これまで引取業者に売却していた給食共同調理場などから出る廃食用油をクリーン筑紫野に無償で提供。これを同社の装置でろ過・精製し軽油代替燃料ができる。市は、「ノウハウを蓄積し、将来は一般家庭から出る廃食用油にも広げたい」と話している。
(2004年6月3日 毎日新聞)
■エタノールなどの代替エネルギーの利用・開発、米国で急加速
ガソリン価格の高騰が続く米国で、代替エネルギーの利用や開発が加速している。GMなどビッグスリーでは今年米国内で生産する車の約1/4がエタノール対応車となる見通し。カーギル社は米中西部の農家と組み、自動車燃料向けに年3600万ガロン(約13.6万キロリットル)を供給する体制をつくった。全米の今年の生産量は業界推計で約30億ガロン(約1136万キロリットル)と、前年比17%増える見込み。ニューヨーク商品取引所は、5月から主に中南米産のサトウキビ製エタノールを対象に先物取引を始めている。
(日本経済新聞 2004年6月4日)
■ひょうごエコタウン推進会議、バイオマス利用に向けた事業化研究へ
リサイクルシステムの調査研究などを行っている「ひょうごエコタウン推進会議」(民間事業者など348団体)が、バイオマスを含む廃棄物のエネルギー利用に向けた事業化研究に乗り出す。テーマは、1)循環型社会水素エネルギーシステム構築、2)バイオマス及び水の有効利用産業 3)スラグ、溶融飛灰等の高付加価値材へのリサイクル――の3項目。2)で、バイオマス発生現場でのガス化・輸送システム、集積センター設立、水素製造、加水分解によるメタン発酵などに取り組む。
(J−FIC WEB NEWS 2004年6月3日)http://www.j-fic.com/
■大王製紙、三島工場のバイオマス発電を増強
大王製紙は、三島工場(愛媛県伊予三島市)に出力3.4万kWのバイオマスボイラーを稼動させた。これでバイオマス燃料の比率を35%から39%に拡大。これによるCO2削減効果は、年間16.5万t(CO2換算)という。
(週刊 エネルギーと環境 2004.6.3)
■「出雲国水素社会プロジェクト研究会」が東京で初会合
水素エネルギーを利用した循環型地域社会の構築を目指す産官学の「出雲国水素社会プロジェクト研究会」の初会合が、6月1日、東京都内で開かれた。同研究会は平田市が中心となって立ち上げ、来年合併する出雲市と簸川郡の四町、二大学、八企業が会員。今後、水素製造プラントの実証、水素を活用した地域モデルの計画策定に着手する。プロジェクトでは、木くずを生物分解してエネルギーを得るバイオマスや風力による水の電気分解で水素を製造。水素を燃料とする電池を使ってバスや船の運航を目指すなど、循環型の地域づくりを目指す。
(山陰中央新報 2004年6月2日)
■「農林水産業から日本を元気にする国民会議」が発足
財界のトップや学識経験者など52名が幹事として名を連ねる「農林水産業から日本を元気にする国民会議」が発足し、6月1日に東京・慶応義塾大学(港区)で設立総会を開催した。代表幹事に宮沢喜一・元首相が、共同代表幹事に井植敏・三洋電機(株)会長と梶原拓・全国知事会会長(岐阜県知事)が就任。1)農林水産業の自立 2)食の安全確保 3)環境問題 4)農山漁村の振興――など7項目の目標を掲げるとともに、さまざまなワークショップを設置して、具体化に取り組む。
同会議HP http://www.pastral-gsec.jp/
(J−FIC WEB NEWS 2004年6月2日)http://www.j-fic.com/
■自治体で国内最大の廃食油燃料化施設が、京都市で完成
京都市は6月2日、京都市伏見区で建設してきた使用済みてんぷら油をバイオディーゼル燃料に精製する施設が完成し、稼動を始めたと発表した。自治体の施設としては国内最大規模の年間150万リットルを生産し、ごみ収集車215台と市バス81台で使用する。国内に品質規格がないため、市独自に定めた。建設費は約7.5億円。原料の廃食油は、一般家庭から年間13万リットルを回収、事業者から同137万リットルを購入。桝本頼兼市長は、「市民回収を広げることで製造コスト(現在は1リットルあたり約80円)を下げたい」と話している。
(京都新聞 2004年6月2日)
■2020年には工業国の電力の15%をバイオマスで供給できるとの報告書
自然保護団体ワールドワイド・ファンド・フォー・ネイチャーなどが5月27日に発表した報告書によると、2020年までに世界の工業国が必要とする電力の15%をバイオマスで供給できるようになるという。報告書は、バイオマスで1億の世帯に電力を供給できると試算している。
(電気新聞 2004年6月2日)
■高知県西部の14市町村が共同で新エネルギー推進
高知県の中村市、宿毛市、土佐清水市など県西部地域の14市町村が「新エネルギービジョン報告書」をまとめた。共同出資による風力発電の設置と出資額に応じて売電収入からの配当を得たり、木質バイオマスエネルギーの導入の活用ノウハウの共有、エコツーリズムなどの重点プロジェクトを策定。とりまとめの中心となった梼原(ゆすはら)町の中越武義町長は、「電力を自給自足したい」と話してい
る。
(日本経済新聞地方経済面(中国・四国特集) 2004年6月2日)
■ドイツで再生可能エネルギー国際会議が開催
ドイツのボンで6月1日、再生可能エネルギー国際会議が開催された。143カ国33機関から閣僚や代表ら3000人が参加した。4日、2015年までに世界の10億人が再生可能エネルギーを利用できるようにすることなどを目標とする政治宣言を採択。石油高騰の中で各国が積極的に再生可能エネルギー開発に取り組み、特に途上国への導入支援も行うことで合意した。
(2004年6月1日 時事通信、6月4日 朝日新聞ほか)
■苫小牧バイオマス研が3分科会を設置
H16年4月に設立された苫小牧バイオマス研究会は、バイオマスの具体的な活用策を探るため、5月31日までに、1)CO2や廃熱を利用し、バイオマスを大量生産する方法を研究する「バイオマス生産」 2)「メタンガス」 3)「バイオマスエタノール」 の3分科会を立ち上げた。事務局は、「分科会でヒントを得ながら商業化の道を探っていきたい」と話している。
(北海道新聞 2004年6月1日)
同研究会HP http://www.tomatoh.co.jp/bio/
■バイオディーゼル燃料、米国で普及の兆し
全米バイオディーゼル委員会(NBB)によると、米国のバイオディーゼル燃料補給所は、2003年、50%増の200ヶ所に達し、バイオディーゼル燃料の使用量は、5700万リットルから9500万リットルへと増えた。米環境保護局のあらたな排出規制がさらに需要を増やす可能性があるという。大半のディーゼル車はバイオディーゼルを燃焼させるために改造する必要がない。現在のバイオディーゼル燃料の90
%は大豆油から、10%は廃食用油からつくられている。
(hotwired 2004年6月1日)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/business/story/20040603105.html
■スーパーで廃食油を回収、バイオディーゼルに
福岡県須賀川市の浄化槽管理・廃棄物収集業、「ひまわり」社は、バイオディーゼル精製プラントを導入した。1日約400リットルを製造、同社が保有するディーゼル車24台で使用する。プラント購入に3500万円を投じたが、軽油に比べ、1リットルあたり20円程度のコスト削減が図れるという。原料の廃食油は、地元のスーパーに回収箱を設置、消費者は廃油と引き換えに渡されるスタンプがたまると、
スーパーで値引きなどのサービスが受けられる。
(河北新報 2004年6月1日)
■埼玉で樹皮製木質ペレット製造
埼玉県飯能市の西川地域木質資源活用センター、愛称「もくねん工房」では、樹皮系原料や端材を用いてバークペレットを生産している。飯能市、入間市、日高市、毛呂山町、越生町、名栗村の製材業、木材卸売業、素材生産者、森林組合の40社が集まり設立した。もちこまれる原料は月225tほど。植木鉢など樹皮利用製品も製造している。kgあたり小口用60円、大口用60円で販売。
(環境ビジネスレポート 2004年6月)
もくねん工房HP http://www12.ocn.ne.jp/~mokunen/
■NEC、形状記憶とリサイクルを両立するバイオマスプラスチックを開発
NECは、熱と外力によって変形したプラスチックを元の形状に戻すことが可能な形状記憶性と、優れたリサイクル性を有する植物原料のバイオプラスチックを世界で初めて開発した。このバイオプラスチックは、一旦成形した後、熱と外力で変形してもヘアドライヤーなどで実現できる温度で加熱(60℃程度で約30秒間)することにより、簡単に元の形状に戻すことが可能。また、使用済みのバイオプラスチックを160℃程度の成形温度で加熱すると、分子間の結合部が解離して溶融でき、バイオプラスチックの再利用が可能となる。ポリ乳酸に高温での解離と冷却時の再結合を繰り返せる熱可逆結合を持たせることで実現、高度な形状記憶性とリサイクル性の両立を初めて可能にした。
(同社HP)http://www.nec.co.jp/press/ja/0405/1702.html
■島根県、バイオマス総合利活用計画を策定
島根県では、畜産排せつ物や製材工場残材、下水汚泥など、バイオマス資源の有効活用を積極的に推進するため、今年3月、2010年を目標とする県の基本計画(島根県バイオマス総合利活用計画)を策定した。島根県におけるバイオマス利活用の実態を把握し、今後のバイオマス利活用の方向性を示すことによって、バイオマス利活用の重要性や意義についての認識を深めるとともに、利活用に向けた意識の醸成を図り、また、資源循環型産業の育成、農林漁業の活性化等を推進し、環境への負荷の少ない循環型社会の構築を目指していくもの。
(島根県HP)http://www.pref.shimane.jp/section/nourin_somu/index.html
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