バイオマスの基礎知識
1. バイオマスのエネルギー利用
日本で現在、利用されている主なバイオマスの種類は、下記の通りである。黒液(製紙工程における副産物)や生物由来の廃棄物、間伐材、そして最近は輸入のアブラヤシ核殻(PKS)やバイオエタノール、パーム油などがある。
図:バイオマスのエネルギー利用
2. バイオマスの特徴
脱化石燃料・脱原子力の時代において、大きな期待がかかるバイオマスだが、以下に述べるよう
な理由から、利用に際しては十分な注意が必要である。
- ①燃料となる資源が木質、農作物、残渣、廃棄物など多様
- ②燃料となる資源に関わる分野が多様:林業、木材加工、農業、食品加工、廃棄物、輸入バイオマス等
- ③特殊用途、食用、マテリアル利用、飼料、肥料、燃料と資源利用の方法が多様、燃料利用はその最後の形態
- ④エネルギー利用の形態も、熱、発電、輸送用燃料と多様
- ⑤燃料の形態も固体(薪、チップ、ペレット、ブリケット等)、液体(バイオエタノール、バイオディーゼル等)、気体と多様
- ⑥カーボンニュートラル(炭素中立)の概念がわかりにくい
- ⑦資源が「存在する」と「利用できる」は全く別
- ⑧再生可能エネルギーのなかで唯一、備蓄、輸送、需要に合わせた供給が可能
- ⑨非常によい利用から悪い利用まで千差万別
といった具合に、政策担当者泣かせの複雑さである。そのため、しばしば適切でない政策や事業が行われてきたと考えられる。
このページのトップに戻る▲