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2023年の動向

1 国際的な動向

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自然エネルギー世界白書2024によると、2023年に増加した世界の自然エネルギー発電設備容量は473GWで過去最大となったが、エネルギー需要の増加に対して、自然エネルギーの増加で十分に賄えないため、2023年のエネルギー由来のCO₂排出量は1.1%増加した【*37】。バイオマス発電は4.4GWの増加、2023年末の再生可能エネルギー電力の導入量は3,870GWに達した。

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2023年11月、EU再生可能エネルギー指令の改正案(REDⅢ)が発効した。発電のみのバイオマス発電所もしくはバイオマスを混焼している発電所については財政支援を行わない(例外規定あり)、カスケード利用、産業用丸太・製材・株・根などの特定の原料で生産されたエネルギーに対する直接的な財政支援の禁止、生物多様性の高い土地(原生林や老齢林)をバイオマス燃料の伐採から除外することなどが盛り込まれた【*38】

EUの森林破壊規則(EUDR)の施行が2024年12月から開始される。木材、パーム油、ゴム等のEU輸出入の際に生産地の地理的位置情報が必要とされる【*39】。同規則では、認証製品にもデューデリジェンス(リスクの特定、対応、防止)の義務があり、地理的位置情報の提供が必須とされ、また森林破壊がない商品とそれ以外の商品を混合した後に分離して扱うマスバランス手法は認められない。

2023年10月、欧州委員会はEUのバイオエネルギーに関する報告書を公表した【*40】。それによると、2021年の再生可能エネルギー消費量全体の約59%をバイオエネルギーが占めた。

2024年2月、欧州委員会は2040年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で90%削減するよう勧告する政策文書を発表した【*41】。同年2月、EU理事会はグリーンウォッシュを禁止するEUグリーンクレーム(環境主張)指令案を採択した【*42】。さらに同年5月、EU理事会は人権・環境デューデリジェンス法案(CSDDD)を採択した【*43】

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日本が最も多く木質ペレットを輸入しているベトナムにおいて、木材のより価値の高い利用への移行をめざすべきという課題や、トレーサビリティの確保、ペレット工場による大気汚染、水質汚染などによる環境法違反などの問題が指摘されている【*44】【*45】

2024年4月、FoE Japanを含む世界の61団体が、バイオマス発電に対する再生可能エネルギー証書(REC)の発給停止を韓国政府に要請する国際公開書簡を提出した【*46】。韓国の気候NGO、SFOCは2023年12月、報告書「補助金による森林減少(Subsidized Deforestation)」を公表した【*47】。韓国では、再エネ証書によって、バイオマス発電に対して多額の補助金が出されているが、燃料の多くが東南アジア、カナダ、ロシアなどからの輸入に頼っている。韓国国内においても、木質ペレットの原料調達のため広い面積にわたって皆伐が行われている【*48】

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