バイオマス利用と安全性
2003年には、バイオマス発電に不可欠な燃料や設備について、規格整備や安全性対策などの必要性を痛感させる事故が相次いだ。
特に、2003年8月に、三重県多度市のごみ固形燃料(RDF)発電所が二度にわたって爆発した事故では、消火活動中の消防士2人が死亡、作業員5人が負傷する重大な結果をもたらした。11月に出された三重県の事故調査専門委員会最終報告書では、RDFが吸湿して有機物が発酵し発熱。平行してRDFの熱分解による可燃性ガスが生じ、水分を含んだRDFの嫌気性菌による発酵で生じた可燃性ガスも蓄積され、容易に発火する状態になっていたと推定している。消防庁は、RDFを指定可燃物に指定することを決定。環境省も「ごみ固形燃料適正管理検討会」を設置し、12月にRDFの適切な利用・製造に関するガイドライン*をまとめるなど、対策が相次いで行われた。
また、千葉県佐倉市では、無許可で大量の産業廃棄物を受け入れていた会社の敷地で、野積みにしていた木材チップや建設廃材から出火、20日以上もくすぶり続けた。全体の約6.5万m3のうち2/3が燃えたと見られている。さらに11月には、神奈川県大和市の「イオン大和ショッピングセンター」の生ごみ処理室が突然爆発。建物の破片の直撃を受けるなどして、消防隊員9人、警察官1人、警備員1人が負傷する事故も起きている。
*http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=4606
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