企業の社会的責任(CSR)とバイオマスの利用 (1)企業の社会的責任(CSR)元年 2003年は、日本の「企業の社会的責任 (CSR)」元年と呼べるほど、CSRへの関心が高まった年だった。国連のアナン事務総長が提唱するグローバル・コンパクト*(下参照)には、キッコーマン、富士ゼロックス等の日本企業も参加し、その数は増え続けている。 |
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グローバル・コンパクトの9原則 *グローバル・コンパクトについて詳しくは、http://www.unic.or.jp/globalcomp/等を参照 |
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(2)原料調達時における社会的配慮 CSRで最近注目されるのは、本社だけでなく、部品の仕入先や外部発注先の環境・社会的配慮も求める取引先企業(サプライチェーン)問題である。だが、例えば携帯電話に使われるタンタル鉱石が、大量の子ども兵士を使う武装勢力が支配するコンゴで採掘されているが、メーカーが把握しきれていないなど、原料調達の社会的配慮には困難さがつきまとっている。
(3)金融界などへの波及 金融においても2003年10月、みずほコーポレート銀行が、途上国等への大型融資案件に対して「環境・社会配慮」を組み込むエクエーター原則を導入することを発表。また、日本政策投資銀行は、環境格付けにもとづき、環境配慮を行う企業を優遇する融資制度を2004年度からスタートする方針を打ち出した。 また、日本人の経営するベンチャー企業がアマゾンの持続的な農法、アグロフォレストリーでつくられたフルーツに限って提供するジュースバーを開店するなど、消費者にダイレクトに環境や社会への配慮を打ち出す例も出ている(下写真)。 (写真提供:クプアス・インターナショナル・ジャパン) |