バイオ燃料とは、バイオマス(生物資源)由来の燃料で、廃食油や植物油などを原料とするバイオディーゼル(BDF)、サトウキビやトウモロコシなどを原料とするバイオエタノールなどがある。エタノールはお酒のアルコールであり、米、小麦、芋などお酒の原料になるものからエタノールをつくることができる。また、最近は技術開発により、廃材などからも製造できるようになっている。
世界的には、ブラジルや米国などで、サトウキビやトウモロコシを原料とするバイオエタノールが自動車用燃料として広く利用されている。温暖化対策や原油価格の高騰により、ヨーロッパやアジア地域でも利用が進められている。特にスウェーデンでは、すべてのレギュラーガソリンに5%のエタノールが混合され、販売されている。
日本でも、京都市などの自治体や、滋賀県から始まった菜の花プロジェクトなどで、廃食油を原料とするバイオディーゼルの利用が行われている。
温暖化防止のための京都議定書の第一約束期間が2008年に始まるが、日本は、1990年より温暖化ガス排出量を6%減らすという目標とは逆に、8.1%増加している。また、2004年以降の石油価格の高騰やピークオイル論(世界の石油供給能力がピークを迎え、近い将来に減退局面に入るという見方)の浮上などにより、世界的にバイオ燃料への関心が高まっている。石油以外のエネルギーでも供給できる電力や熱とは違い、自動車燃料は現在、ほとんどを石油に頼っているからである。
滋賀県の油藤商事のガソリンスタンドでは、バイオディーゼルを20%混合したディーゼルを販売している。価格は普通のディーゼルより数円高い程度。地域の企業やNPO、生協などでバイオディーゼルを販売しているところもある*2。
バイオエタノールは、ETBEという添加剤の形で混合したガソリンが2007年5月より、関東の50ヵ所のガソリンスタンドで販売され、以後、増えていく予定である。価格は普通のガソリンと同じか少し高い程度の見込み。また地域によっては、E3という3%エタノールを混合したガソリンの販売も計画されている。
小型バイオディーゼル製造装置