バイオマス産業社会ネットワークロゴ
スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー

2023年の動向

1. 国際的な動向(輸入バイオマスの問題も参照のこと)

スペーサー

自然エネルギー世界白書2025によると、2024年、世界のバイオマス発電容量は4.6GW増加し、世界合計は155GWに達した【*34】。特に中国とフランスで新規設置が行われた。固体バイオマス発電施設からの発電量は世界全体で711TWhに増加したが、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、オランダ等の生産主要国で減少した。これは、エネルギー政策の変更、市場競争力の低下およびベレット輸入の減少が要因とされる。2022年の世界の熱生産において、伝統的バイオマス熱は10%、近代的バイオマス熱が8.3%であった。2012年と比較すると伝統的バイオマス熱が3%減少し、近代的バイオマス熱を含む再生可能エネルギー熱が3%増加した。

世界バイオエネルギー統計によると、2022年の世界の木質ペレットの生産は4,800万tであり、52%がヨーロッパが占めている(図6)【*35】。アジアの生産量の6割近くは、ベトナムが占めている。

スペーサー
図5:2025年 エンビバ社の長期供給契約

図6:世界の大陸別ペレット生産【*35】

スペーサー

2023年、エタノール生産量は1億1,600万KLに達し、米国とブラジルがそのうちの8割を生産した。2023年、世界のFAMEバイオディーゼル生産量は5,000万KLに近づいた。インドネシアがパーム油由来の1,400万KL、EUが1,300万KL、ブラジルが800万KLと続く。2023年のHVO(水素化植物油)生産では、米国が1,100万KL、EUは400万KL、中国は140万KLに増加した【*35】

スペーサー

インドでは、2024-25年度より火力発電所に5%のバイオマス混焼が義務付けられ、後に7%に引き上げられた。木質ペレットに換算すると5,000万tに相当する量である。インドでは畑で作物残さが燃やされているが、これが大気汚染源となっている。この残さが混焼に使われることが期待されているが、現状では経済的インセンティブに欠けていると見られる【*36】

スペーサー

2024年12月、EUは森林伐採規制(EUDR)の施行を、大企業は2025年末に、小企業・零細企業は2026年6月末まで1年間延期した【*37】。2024年6月、EUは自然再生法を採択した【*38】。2030年までにEUの陸・海域の20%以上、2050年までに再生が必要なすべての生態系を対象に再生措置を講じることを目指す。

2024年12月、責任投資原則(PRI)は、「EUのバイオエネルギー政策と投資が気候と自然にもたらすリスクへの対応」【*39】に関するレポートを発表した。ポイントとしては、〇EUのバイオマス需要増の約半分は、伐採量の増加でまかなわれている 〇EUはすでに毎年、再生可能な量を上回る木材を使用している 〇バイオマス需要の増加は、世界的な森林伐採や違法伐採を増加させる 〇カスケードの最上位は森林生態系の保全 〇バイオマスのエネルギー利用は、他の選択肢を使い果たし、廃棄物や残渣にそれ以上の価値がなくなった後の最後の手段として留保される 〇ソーラーパネルは、面積当たりバイオマスの100倍の電力を生産できる といった内容が挙げられる。

スペーサー

スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー
スペーサー