効率化を求めるために、エネルギー利用の一元化を図る動きがある。経済効率や環境効率(二酸化炭素排出量の削減)といった文脈ではその有効性はあり、これを否定するものではない。しかしながら一方で、エネルギーの地域分散や、エネルギー利用の多様性も同時に進めていく必要があると考える。
 木炭や粉炭ストーブ、生木ボイラー(ガシファイヤー)などを中心として、スローライフエネルギーと呼ばれるものへの注目が高まっているが、室内環境汚染問題やアスベスト問題に代表される住宅資材分野でもその解決が急務である。
 バイオマスマテリアルにおいても(化学物質問題がゼロというわけではないことには注意)、焼き杉板やケナフボードなど様々な材料がその出番を待っている。
 構造偽装問題などでコンクリート系住宅の一部に不信感が高まっているなか、新たなバイオマスマテリアルを発掘し、わが国の地域資源による住文化の形成が大きな課題となってこよう。
 エネルギーとマテリアルの多様性を追求し、新たな日本の住環境を形成するために設立されたオール炭化住宅開発普及協会(理事長 堀尾正靭東京農工大学教授)では、エネルギーとマテリアルの両面から「炭」の技術、デザイン、住文化への取り組みを進めている。

※オール炭化住宅開発普及協会のお問い合わせは、同事務局まで