地域資源の有効活用。どこででも聞かれるスローガンだ。ただしこれを実現している地域は数少ない。徳島県上勝町は人口2000人強の四国の山中に位置する、日本でも人口の少ない町の一つである。木材やみかんが主要産物であったが、いずれも衰退し、町には暗いムードが漂っていた。こうしたなか、「つまもの」に需要があるとみて、商品化を開始。不断の研究開発のほか、主な従事者である高齢層でも使えるパソコンを開発し、コンビニばりの商品管理システムまで導入した。そして忘れてはいけないのが、「おばあちゃん」たちの活躍だ。首都圏のマーケッター顔負けの分析力と販売動向予測、投資判断(原料の植物をビニールハウスで栽培など)を駆使して、現在では年商3億円弱の産業になるに至っている。 ※徒(かち)組とは江戸時代の歩兵で、多忙であったが禄高は低かった。幕末には多くの俊英を輩出。 <バイオマス産業社会ネットワーク副理事長・山梨大学客員助教授 |