バイオマスといえば、これまでエネルギー利用が一般的であったが、「バイオマス・ニッポン総合戦略」では、製品の素材としての利用もバイオマス資源の有効利用として位置付けている。
実際、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、自動車リサイクル法などをにらみ、バイオマス由来の生分解性プラスチックなどの技術開発や市場への投入が、近年急速に行われている。
例えば、経済産業省所管の地球環境産業技術研究機構(RITE)は2002年、古紙から生分解性プラスチックをつくる技術を開発。昭和高分子などと協力して、年産5万トン規模の製造施設を建設する計画である。
ユニチカは、140℃と耐熱性を従来の2倍以上に高めた生分解性プラスチックを開発。ポリ乳酸樹脂に、もともと土中にある層状ケイ酸塩という無機物の微細な粒子を加えて開発したもので、射出成型も容易になり、樹脂成型品を大量生産することができる。
またソニーは、部品に生分解性プラスチックを使用したウォークマンを今秋、発売した(写真)。富士通も、トウモロコシからつくるポリ乳酸を主成分とする生分解性プラスチックをノート型パソコンの本体部品に採用。トヨタ自動車はインドネシアで飼料用サツマイモを栽培、ポリ乳酸生分解性プラスチックを生産する計画をすすめている。
こうした生分解性プラスチック利用の動きは、2003年以降、さらに加速していくものと考えられる。
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