バイオマス発電


 現在、バイオマス発電と言われているものには、大きく分けると4つの種類があります。

  1. 藁、もみがら、とうもろこしの芯、バガス(サトウキビのしぼりかす)、オイルパーム工場からの廃棄物などの農業残さを燃料とするもの
  2. 枝葉、間伐材、端材、規格外材、おが屑、合板、建材工場での廃材などの林業廃棄物を燃料とするもの
  3. 家畜の糞尿、ビール工場の廃棄物、生ゴミ、下水汚泥等から、微生物や酵素を利用してメタンを回収し、このメタンを燃焼させて発電するもの
  4. 生物系由来の都市廃棄物等による発電


 (1)では、特に熱帯地域でサトウキビ工場、オイルパーム工場などの熱電を供給する形で行われているケースが多い。日本国内でも、20年以上前から、沖縄でバガス(サトウキビのしぼりかす)を燃料とする発電が行われています。
 (2)は、製材工場などの他、最近、中山間地の活性化策として注目され、日本各地に発電の実験施設がつくられています。
 (3)のメタンガスによる発電は、ビール工場や家畜糞尿、下水汚泥などで実用化されています。またこのメタンは燃料電池の燃料としても利用可能です。
 (4)は、通常プラスチックごみなども混ざるため、バイオマス発電に含めない場合もあります。ただし、例えばドイツで、鉄道の枕木や汚染された工場の床材などの木片や下水汚泥を燃焼させ、電力、熱のほか、メタノールを製造・販売し、事業化に成功している事例などがあります。処理手数料という収入源のある廃棄物を燃料とする方が、先進国においては、事業化しやすいと考えられます。

 

都道府県
事業場名
廃棄物の種類
処理能力
(t/日)
出力規模
(kw)
運開年度
愛知 トヨタ自動車(株)環境センター 廃プラ、木くず、紙くず、汚泥
94
16,000
H02.05
大阪 (株)ダイカン廃棄物処理施設 建設廃材、紙くず等
192
1,400
H01.08
岡山 銘建工業 本社工場エコ ブレーナーかす、バーク
90
1,950
H10.01
岡山 日本食品加工 水島工場 食品焼却物混焼
336
4,980
H06.11
愛知 (株)トキワ 製紙事業本部 木くず
168
3,150
S58.11
宮城 石巻合板工業(株) 木材チップ
390
3,000
H10.05
沖縄 翔南製糖 西原工業 バガス
2,200
2,800
S61
沖縄 沖縄県 那覇下水処理場 汚泥
10,737
810
S59

表1 日本の産業廃棄物発電
(NEDOホームページ及びNEF資料より作成)