バイオマスの基礎知識Q&A


問い 他の国ではバイオマスはどのぐらい利用されていますか? 利用しようと考えられていますか?

答え
 EU(欧州連合)は、地球温暖化対策として、自然エネルギー利用を割合を、6%から12%まで増やすことを表明しています。その自然エネルギーの8割は、バイオマス(およびコジェネレーション)です。バイオマスは、風力発電や太陽光発電に比べてコストが1/20 〜 1/10 と非常に低いことと、備蓄が可能であり、発電量が天候に左右されず年間稼働率が高いといった利点があるからです。
 スウェーデンでは、炭素税の導入などによってバイオマスエネルギーの需要喚起に努め、今では、エネルギー消費量の約2割を林業廃棄物などのバイオマスでまかなっています。また、バイオマスエネルギー利用により、チップの輸送やボイラーの管理など約2万人の雇用をつくり出したと言われています。
 また、米国でも、1999 年8月に、クリントン大統領(当時)が、「バイオ製品とバイオマスエネルギーの開発および促進」についての大統領令を交付し、関連省庁で構成される協議会が置かれ、連邦レベルの推進体制(下図参照)を整えました。この大統領令では、温暖化対策となることに加えて、バイオマス利用が、米国の農村において新たなビジネスと雇用の機会を広げ、農林業廃棄物に新たな市場を生み、輸入石油への依存度を減らすことにつながると指摘しています。この大統領令では、エネルギー消費量に占めるバイオエネルギーの割合を3%から、2010 年には3倍に増加させるための施策を講じています。